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チックに関する本 [本の紹介]

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≪8月の休業日≫ 定休日:水、日曜日、祝日 定休日以外の休みは赤字です。
8月11日(金・祝)~16日(水)、20日(日)、23日(水)、27日(日)、30日(水)
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≪8・9月のセミナーの予定≫
8月19日(土)13:30~15:00「チャレンジする力について」(残り3名)
8月24日(木)10:30~12:00「ABAの基礎(5)」(残り4名)
[NEW]9月14日(木)10:30~12:00「子どもの感情と行動のコントロール(1) 発達障害と愛着障害」
[NEW]9月16日(土)13:30~15:00「子どもの感情と行動のコントロール(1) 発達障害と愛着障害」
[NEW]9月28日(木)10:30~12:00「お母さんのストレスマネージメント(1)」
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日本トゥレット(チック)協会編『チックをする子にはわけがある トゥレット症候群の正しい理解と対応のために』(2003年)大月書店

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まばたき、咳払い、顔をしかめる、「アッ、アッ」と声が出るなど、
お子さんのチックが気になっている方、
お子さんの心に何か問題があると心配されてはいませんか?

チックとは、突然起こる反復的な不随意の運動で、
一定の期間続いているものです。
かつては心因性と言われることもありましたが、
生物学的な要因が基礎にあることがわかってきました。
特に、脳内の神経伝達物質ドーパミンの分泌が深く関わっています。

ドーパミン神経系は大人よりも子どもの方が活発にはたらいており、
一般的に10歳頃から急激にはたらきが低下し、
15歳くらいには低下の度合いが弱まってきて、
20歳後半には一定程度に落ち着いてくるようです。

この不活発になる時期が通常よりも早く始まってしまう子どもたちがいます。
そのはたらきの低下を補うために「ドーパミン受容体」が過敏になり、
それに伴って不随意の運動が起きてしまうとのことで、
それがチックの正体のようです。
これは、多くの場合6~7歳頃から発症し、
15歳を過ぎると収まってくるチックの現状とも整合性があります。

この本では、チックの種類、チックが起こるしくみ、
チックに併発しやすいこと、
サポートの仕方、診断や治療法などがわかりやすく説明されています。
「自分の接し方が悪くてストレスをかけてしまっているのでは…」と
お悩みの親御さんが、前向きにお子さんと関われるようになる
内容だと思います。

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明日から8月16日(水)まで夏期休暇とさせていただきます。

9月以降の「お母さんのためのセミナー」の日程を決めました。
チラシは休暇明けに掲載いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。



共通テーマ:日記・雑感

乳幼児対象のお仕事をされている方に [本の紹介]

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≪6月の休業日≫ 定休日:水、日曜日、祝日 定休日以外の休みは赤字です。
6月4日(日)、7日(水)、11日(日)、14日(水)、18日(日)、21日(水)、25日(日)、28日(水)
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≪6月のセミナーの予定≫
[NEW]6月8日(木)10:30~12:00「楽観性について」(残り3名)
[NEW]6月17日(土)13:30~15:00「楽観性について」(残り4名)
[NEW]6月22日(木)10:30~12:00「ABAの基礎続編」(残り3名)
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洲鎌盛一『乳幼児の発達障害診療マニュアル 健診の診かた・発達の促しかた』(2013年)医学書院

発達障害は早期発見、早期介入が大事と言われています。
しかし、発達障害の可能性を探るためのチェックリストは
小学生以上を対象にしたものが多く、
乳幼児に関わってお仕事をされている方は、
どのような観点から発達障害が疑われるのか、
困っていらっしゃる方も少なくないと思います。

この本には、乳幼児期の定型発達との違い、
発達障害を持つ子どもに現れる特徴的な行動が
端的に書かれており子どもの発達のあり方を観察する際に
とても参考になります。
発達障害の概要、病歴の取り方や発達に関するアセスメント・ツール、
具体的な発達の促し方までコンパクトにまとめられており非常に実用的です。
何より素晴らしいと思ったのは、
発達段階ごとの適した運動のさせ方、
やりとりの仕方などが書かれていることです。

定型とは異なる発達が気になったとしても、
すぐには医療につなげられない場合がありますし、
つながったとしても「しばらく様子を見ましょう」ということになるかもしれません。
そんなとき、自分で積極的に子どもにしてあげられることがあるというのは、
お母さんの不安を和らげることにつながります。

…この本の著者成育医療センターに勤務されていた洲鎌盛一先生は、
2009年に54歳の若さでご逝去されたとのこと。
素晴らしいお仕事をされていた方が
若くして亡くなられたことは残念でなりませんが、
先生が遺されたこの本を大切に使っていきたいと思います。

常に身近に置いて、内容をすっかり頭に入れたい一冊です。


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共通テーマ:日記・雑感

保育の専門家向け・保護者との関わり方についての本 [本の紹介]

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≪10、11月の休業日≫ 定休日:水、日曜日、祝日
10月5日(水)、9日(日)、10日(月・祝)、12日(水)、16日(日)、19日(水)、23日(日)、26日(水)、30日(日) 11月2日(水)、3日(木・祝)、6日(日)、9日(水)、13日(日)、16日(水)、20日(日)、23日(水・祝)、27日(日)、30日(水) 
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来月、保育園、幼稚園の先生方を主な対象にした講演をさせていただくので、
保育者と保護者の関係についての本をできるだけ読んでいます。
先日ご紹介した保育ソーシャルワークについての本もそのうちの一冊です。
本日は次の本をご紹介します。

原坂一郎『ひかりのくに保育ポケット新書➂ 保護者とうまくいく方法 ~日常編・行事編・クレーム編48のポイント~』ひかりのくに株式会社(2008年)940円+税

保育者の方たちの中には、
親御さんとの関係の取り方を難しく感じる方もいらっしゃるでしょう。
本を読むことで関わり方のヒントを得たいと思っても、
本質について記述したものでは具体的な言葉かけが分かりにくく、
具体的なHow toものだと薄っぺらな対応になりそうで不安ではないでしょうか。

この本は新書でとてもコンパクトなのですが、
保護者との関係において大事な本質をつきつつ、
具体的な対応を紹介しています。
保育者の現状が踏まえられている一方で、
保護者の気持ちもきちんと捉えられており、
保護者に対する温かいまなざしが感じられます。
最初に「本書の特長」として、
「保育者であり、園児の保護者でもあった著者が、
両方の立場から『うまくいく』方法をわかりやすく示しています。」
と、ありますが、
その通りの内容になっていると思います。

トラブルを解決するというのではなく、
トラブル自体が起こらないようにするという姿勢も素晴らしいです。

保育関係のお仕事をされている方にとっては、
「そうだったのか」、「これからこうしてみよう」
と思えることがたくさん見つかる本だと思います。




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現場で生かせる保育ソーシャルワークの本 [本の紹介]

≪9、10月の休業日≫ 定休日:水、日曜日、祝日

9月28日(水)
10月2日(日)、5日(水)、9日(日)、10日(月・祝)、12日(水)、16日(日)、19日(水)、23日(日)、26日(水)、30日(日)
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永野典詞・岸本元気『保育士・幼稚園教諭のための保護者支援~保育ソーシャルワークで学ぶ相談支援』(2014年)風鳴舎

 地域の求心力が弱まり核家族化が進むという子育て環境の変化に対応して、「保育所保育指針」には「保護者支援」が盛り込まれ、保育の専門家に保護者支援、子育て支援が求められるようになりました。そうは言っても、現場の保育士さん、幼稚園の先生方は、目の前のお母さん、お父さんたちに対して具体的にどうすれば良いのか、難しく感じていらっしゃる方も少なくないと思います。
 この本は、保育者向けに書かれた、ソーシャルワークの考え方、技法を活用した保護者支援についての本で、保護者支援の一つのあり方を提案、解説しています。保育者がソーシャルワーカーになるということはなく、ソーシャルワークを理解した保育者を目指しましょうというものです。

 ソーシャルワークとは、困りごとを抱えた人がそれを解決できるようにするために、様々な資源(人、物、機関など)をつなぐ活動のことです。ソーシャルワークを行う人は、全ての人を平等に尊重し、支援に必要な専門的知識と技術を持ってこれに当たります。
 保護者に対して、潜在的なニーズを探る、あくまでも個別性を大切にして向き合う、現在だけでなく将来に対するの不安も視野に入れる、取り巻く人々、環境についても目を配るなどといったことが勧められており、一見すると(そこまで手を広げるのは大変)、(その場の対応に追われているのにさらにやることが増える)と感じるかもしれません。
 しかし、場当たり的な対応では触れられなかった点に作用することで、いつまでたっても変わらなかった保護者との間のギクシャクした感じ、距離感があり過ぎる感じなどが改善され、保護者の子どもの状態も含め物事全体が良い方向に流れていく可能性があります。今まで良かれと思ってやっていたことが実は逆効果だったという発見もあると思います。

 見やすいイラストと端的な短い文で構成され、短時間で目を通すこともできますが、内容は深く濃く、何度も読み返したくなる本です。

 

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発達障害・おすすめの親御さん向けガイドブック [本の紹介]

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≪7、8月の休業日≫ 定休日:水、日曜日、祝日

7月10日(日)、14日(水)、17日(日)、18日(月・祝)、20日(水)、24日(日)、27日(水)、31日(日)
8月3日(水)、7日(日)、≪夏期休暇≫ 8月10日(水)~17日(水)、21日(日)、24日(水)28日(日)、31日(水)
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暑い七夕になりました。あちこちで夕涼み会が催される頃ですね。

榊原洋一『図解 よくわかる発達障害の子どもたち』(2011年)ナツメ社 1,500円+税

発達障害に関心のある親御さん、保育士さんや学校の先生におすすめの本をご紹介します。
そんなに新しい本ではありませんが、発達障害に関する講演などをさせていただく際には必ず参考文献に取り上げさせていただいています。発達障害の診断名は2014年にDSM-5(アメリカ精神医学会 精神疾患の分類と診断の手引き)の日本語版が発行されてから変更されましたので、この本はそれ以前の表記のままになっています。

 著者は長年発達障害を持つ子どもたちと関わってきた小児科医です。個々の発達障害の特徴、日常生活の場面別の対応策が分かりやすく書かれています。「図解」とあるだけに見やすいイラストがふんだんに使われているので、長い文章を読むのは大変と感じる方も抵抗なくご覧になれます。
 この本の特徴は、後半部分は個別の障害の区別に捉われず、発達障害を持つ子どもたちがつまずきそうな場面を取り上げて説明している点です。異なる診断名がついていても、共通の困難を抱えていることが多いからです。特にこの後半部分が、日常、学校生活で支援が必要な場面を幅広く取り上げ具体的な方法を簡潔に紹介しているので、とても役立つと思います。

 発達障害に関する一般の方向けガイドブックの一つの到達点ではと思うような本です。

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親なき後のこと [本の紹介]

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≪6月、7月の休業日≫

6月19日(日)、22日(水)、26日(日)、29日(水)
7月3日(日)、6日(水)、10日(日)、14日(水)、17日(日)、18日(月・祝)、20日(水)、24日(日)、27日(水)、31日(日)

≪夏期休暇≫ 8月10日(水)~17日(水)
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平野厚雄『発達障がいの子ども お金のこと 親が亡くなった後のこと』(2013)パブラボ 1,600円+税

ファイナンシャルプランナーであり自閉症スペクトラム障害を持つお子さんのお父さんでもある著者が、「障がいをもつ子の親が、安心して旅立てる社会をつくりたい」という思いを込めて書いた本です。

意外に知らないまま過ごしている貯蓄、保険、ローン・奨学金、住宅、相続といったお金に関する一般的な知識から、障がいを持つ子の親としてのリスク管理、障害年金についての注意点などについて書かれています。

 リスク管理の章で、著者は、東日本大震災の際、極度に偏食の子どもが食べられる数少ないパンが店頭から姿を消して大変苦労した体験について書いています。そして、「障がいを周知することの大切さ」を強調します。
 最近の熊本の震災時でも、障がいを持つ子の親が、避難所に居られず子どもと共に車中で過ごした話は記憶に新しいです。一見、特に変わったところのない子どものように見えても、感覚の偏りが激しかったり、見知らぬ大勢の人の中にいることが耐えられないほどの恐怖だったりします。その苦痛は一般の方たちの想像を絶しています。しかし、自分の子どもが障がいを持っていると知らせることのデメリットを考えると、周知に抵抗感がある方は多いに違いありません。
 でも、親が守り切れないほどの災害がいつ何時起こるか分かりませんし、恐らく親の寿命の方が先に訪れます。災害時になってから急に理解してもらおうとしても無理です。私自身も、この著者のように、周囲の方たちを信じて、普段から本人の特性について知られている中で生きて行く方が、本人にとって幸せなのではないかと思い始めています。
 また著者は、精神的な苦痛を乗り越えながらも「自分は息子の障がいを受け入れることができるようになった」と明言しています。それが周知という行動とも結びついていると思うのですが、この「障害受容」というものもまた複雑でシリアスな問題です。私は、これは他人が親や本人に対して求めるものではないと思っています。できることは、障がいというものに向かい合う過程に付き合っていくことです。この著者の場合、「子どもの障がいを『受容する』という選択」をしたという表現を使っています。理性的に、能動的に、受容することのメリットを生かすことにしたということになるのだと思います。このような心の持ち方ならばできるという方もいらっしゃるかもしれません。

 この本を読んで、自分がすべきことは、障がいをオープンにすることの支障が最小限になるよう努めることだと思いました。親御さんにとっては、この本を手に取ることは、気になっているけれどもなかなか真正面から向かえなかった問題について考えるきっかけになると思います。

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大学の職員の方、発達障害を持つ学生のご家族に読んでいただきたい本 [本の紹介]

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≪6月、7月の休業日≫

6月8日(水)、12日(日)、15日(水)、19日(日)、22日(水)、26日(日)、29日(水)
7月3日(日)、6日(水)、10日(日)、14日(水)、17日(日)、18日(月・祝)、20日(水)、24日(日)、27日(水)、31日(日)

≪夏期休暇≫ 8月10日(水)~17日(水)
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高橋知音『発達障害のある大学生のキャンパスライフサポートブック 大学・本人・家族にできること』学研 2012年 1,900円+税

大学に行くのにどうしても遅刻してしまう、履修のスケジュールが立てられない、実験などグループで行う授業で自分の役割がスムーズに果たせない、論文を組み立てられない…大学生活をうまく送れない背景には、発達障害が関係しているかもしれません。
この本は、発達障害を持つ学生の支援に携わってきた著者が、本人たちが豊かなキャンパスライフを送るための支援について書いたものです。

発達障害を持つ学生の支援において、大学が必ずしなければならないこと、してはいけないこと、支援の方法を探るための指針が明確に示されていることで、大学側は一定の見通しがつくことでしょう。
学習、生活、対人関係の各領域において本人たちが体験するであろう困難への具体的な対策例、本人の特徴のアセスメントや個別支援計画作成を実現するための提案、実際のアセスメントツール、支援情報を整理するためのシート、支援計画の例などが豊富に紹介されており、実際の支援に大変有用と思われます。
最後に、そもそも本人にとって大学に行くメリットは何なのか、自立に向けてどのようなことが重要なのかについても言及しています。
本人、家族、大学が抱えるであろう困り感、課題が丁寧に取り上げられていて、とても実践的、網羅的な内容になっていると思います。

発達障害を持つ学生に関わる方たちには是非読んでいただきたい一冊です。

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ようやく、愛着障害の本を読みました [本の紹介]

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≪5月、6月の休業日≫
(定休日は水曜、日曜、祝日  定休日以外の休みは赤文字になっています
5月28日(土)、29日(日)、31日(火)
6月1日(水)、5日(日)、8日(水)、12日(日)、15日(水)、19日(日)、22日(水)、26日(日)、29日(水)
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岡田尊司『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(2011年9月)光文社新書 860円+税

「愛着」とは親密な人物との愛情の絆です。愛着が形成されることで、子どもは安定した心を持ち他者を信頼できるようになると、数十年前からアメリカの心理学者などが指摘してきました。そして近年、愛着が健全に育たないことは子どもの発達にマイナスの影響を与え、「愛着障害」という状態を引き起こすことが注目されています。愛着障害の概念は、発達障害に代わるかのように、発達、心理、教育の分野で関心を集めています。

  この本では、著名人の例を挙げながら、「愛着障害」が生まれる要因、特性が説明され、「安定型」、「回避型」、「不安定型」という愛着スタイルの分類とそれぞれの特徴が述べられ、克服の仕方が書かれています。 
 愛着障害の概念は知っていましたが、私はあまり積極的に向き合ってきませんでした。長年発達障害に関わってきた私にとって、愛着を持ち出すことが親に与える影響に心配があったからです。
 発達障害の存在が知られるようになる前、落ち着きなく走り回る子ども、禁止されたことを繰り返し行ってしまう子ども、他者とうまく関われない子どもたちは、「親の育て方が良くないから」と言われてきました。それで傷つき、苦しんできた親御さんたちは数え切れないほどいます。それが、「発達障害だから、生まれたときからの特性です」ということになって、(少なくとも自分の育て方が悪かったせいではないのだ)と少しは胸を撫で下ろせる部分もあったと思います。それがまた愛着の問題となると、幼少時の親の関わり方が望ましくなかったことになります。お母さんたちが、再び「やっぱり自分のせいなんだ」と追い詰められた気持ちになることが想像されました。
 そして、発達障害と愛着の形成は切り離せない事柄です。
 生まれつき発達障害の特性を持っていると、抱っこしても喜ばなかったり、何をしても一向に泣き止まなかったり、名前を呼んでもこちらを見なかったりします。そのため、親が「思いが通じた!うれしい!もっと、喜ぶことをしてあげたい!」という気持ちになることが困難です。結果、親子の間の適切な応答が減ってしまうということが起きやすくなるでしょう。すると、発達障害も持っているし、愛着の形成も不完全という状態になります。
 また、子どもに発達障害が無くても何らかの理由で愛着がうまく形成されないと、心が安定せず、落ち着きがない、困った行動を繰り返す、他者とうまく関われないといった発達障害と同様の状態が現れることがあります。
 発達障害でも、愛着障害でも、信頼関係を築くこと、本人の気持ちを大切にすること、本人が受け入れやすく分かりやすい伝え方をすることは同じなのだから、敢えて愛着障害を持ち出さなくても良いのではないか…そう思ってきました。
 しかし、店頭に並んだこの本を見て、やはり気になって読んでみることにしました。

 読んでみて感じたことは、愛着障害がある場合、「愛着の修復」を最優先にすることがとても大切だということです。どんな障害であっても、或いは障害の範疇に入らなかったとしても、療育やカウンセリングの中に本人が心地よくなれる要素を取り込むことは、関係づくりをする上で大事です。けれど、愛着障害を持つ子どもに接するときには、本人の心が和らいで信頼関係がしっかりと確立するまで、その子の希望を優先して共に楽しい時間を過ごす以外、何もしなくていいくらいだと思いました。対人スキルや感情のコントロールの仕方を教えるといったことが効果を上げるのは、楽しい時間を重ね信頼の絆がしっかりと結ばれてからでしょう。

 愛着障害を知って、自分が悪かったのかと傷つく親御さんたちはいると思います。でも、どうしてそうなってしまったのでしょう。それは、子どもが発達障害を抱えていて元々愛着の形成にハンディキャップがあったからかもしれません。或いは、親御さんご本人がご自分の親とうまく愛着を形成できなかったからということも十分考えられます。どうぞ、原因をひとりで抱え込まれませんように。
 ご自身が、親との愛着の形成がうまくなされなかった方は、この本を読むことで、(そういうことで子どもとの関係がうまくいかなかったのか)と合点がいき、自分自身の愛着の修復をするきっかけになるかもしれません。

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「コグトレ」の本が届きました [本の紹介]

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≪5月、6月の休業日≫
(定休日は水曜、日曜、祝日  定休日以外の休みは赤文字になっています
5月25日(水)、28日(土)、29日(日)、31日(火)
6月5日(日)、8日(水)、12日(日)、15日(水)、19日(日)、22日(水)、26日(日)、29日(水)
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宮口幸治『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(2015年3月)三輪書店  2000円+税

注文していた本が届きました。認知機能を高めるためのトレーニングの方法について書かれた本で、実際に使用する教材がCDで付いています。

 この本の特徴は、知能、推理等に関する標準検査のレベルで効果が実証されている方法である、それまであったような断片的な教材ではなく認知機能のうちの5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推理・判断)を網羅するように構成されている、付録のCDに課題シート、解答記入シート等がセットされていて繰り返し印刷して利用できる点などです。利用する方たちにとって、誠実、親切な作りになっていると思います。
 課題のサンプルのみを見た段階では難度が心配でしたが、本人のレベルに合わせてできるものだけを行えば良い、見本の提示時間を延長しても良い、できるようになるためのヒントを考えると良いということになっており、また、「解答に完璧さを求めるよりも課題に取り組んだことをほめてあげましょう」とあることで安心しました。
 後、問題はこのトレーニングに取り組む時間数です。検証実験では、ほぼ毎日一日につき約1時間は行っています。一日学校で過ごしてくるだけでも疲れる子どもたち、学校の宿題をやり終えることが大変な子どもたち、そして、塾、習い事、スポーツと忙しい子どもたちにどのくらい取り組める時間があるでしょうか…。身辺自立を身に着けさせることや家のお手伝いをさせることも大切なことですし、優先順位の問題になると思います。
 家庭でさせるのはなかなか困難と思われますので、特別支援学級、放課後等デイサービスなどで教材として活用されると良いと思いました。

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